実験委員会 第21回実験内容



実験名称 液化ガス・圧縮ガスの室内への漏洩
実験目的  空気と他のガスの混合について、我々の日常使用している高圧ガス(液化ガスや圧縮ガス)が室内で漏洩・流出した時の取り扱いを視野に置き、テーマも関心の高い酸欠事故に絞って実験を行った。漏洩・流出時の酸素濃度変化測定に加えて、液化ガスの場合は漏洩・流出時に発生する霧を観察することでガスの流れや停滞状況を映像化し、保安教育・現場作業に役立てる。
実験年月日 予備実験:平成29年4月22日、8月26日、10月31日、12月2日
本 実験:平成30年6月23日、10月8日
実験場所 大和熔材株式会社 富田林工場
新コスモス電機梶@トレーニングセンター
実験担当事業所 (株)ネリキ
(株)ダンテック
大陽日酸(株)
大和熔材(株)
岩谷産業(株)
イビデンケミカル(株)
ガス保安検査(株)
(株)フジキン
エア・ウォーター(株)
(株)ニヤクコーポレーション
新コスモス電機(株)
昭和電工ガスプロダクツ(株)
エアウォーター炭酸(株)
資材提供事業所 大和熔材(株)
(株)ダンテック
新コスモス電機(株)
エア・ウォーター(株)
結果、その他
1.実験方法
(1)所定量の液化ガス(液体窒素又は液体アルゴン)を室内に漏洩させ、その時にできる「霧」をビデオカメラでとらえ、液化ガス漏洩時のガスの流れを可視化するとともに、酸素濃度計を使い、酸素濃度の経時変化を確認した。
  *霧の正体:「霧」は空気中の水分が冷たいガスに触れると出来る細かい水滴であり、液化ガス漏洩直後より発生し、その発生量は漏洩量に依存する。「霧」はガスの移動と共に移動し、30秒から1分程度でなくなる。
(2)ボンベ(窒素又はアルゴン)を1本、バルブを全開にして放出させ、酸素濃度計を使い、酸素濃度の経時変化を確認した。
2.結果
(1)液化ガス室内漏洩実験結果
  1)撮影した映像と酸素濃度を対比すると、撮影して1分近くは霧と実際のガスの移動が合っている事が解った。
  2)低温状態の液化ガスが、さらに周りから熱を奪いながら気化する。液体窒素の場合、最初は空気より比重の重いガスとして挙動し、気化した窒素ガスは、最初は地を這いその後上に行く。
要注意;姿勢を低くしない!換気の実施!<
  3)液体アルゴンが気化したアルゴンガスは室内の下部に滞留し、空気と混ざりにくい。このため上部から排気しようとしてもなかなか置換できない。
漏洩時は換気扇・ドラフトの稼働の他、窓・扉の開放が必要。
  4)液化ガス漏洩時の酸欠防止の為に、室内の下部にガスが滞留すること から予め換気扇・ドラフトを稼働させる他、室内下部が換気されるように扉の解放などの措置が必要。
⇒液化ガスの酸欠は足元から!
(2)圧縮ガス漏洩実験結果
圧縮ガスが容器から大量に短時間で漏洩した場合、ガスの軽重に係わらず室内に素早く拡散し、室内の酸素濃度を均一に下げる事が確認された。
酸欠防止の為に、予め換気扇・ドラフトを稼働させておく事が必要。
掲  載
安全ニュース
高圧ガス安全ニュース 275(平成31年1月10日発行)
備  考  


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