実験委員会 第18回実験内容



実験名称 液化窒素の液封による圧力上昇実験
実験目的 一般的に「液封は危険だ」との認識はあっても液封の温度、圧力等の定量化された情報が極めて少ないために取扱者の意識づけが難しく、最近でも液封に起因する配管や容器の激しい破裂事故や災害が発生しています。  今回の実験では液化窒素が液封された場合の温度、圧力の関係を調べるとともに、我々が実際に使用している小径の配管において液封になった場合には、内部圧力がどのような速さで上昇するかを調査しました。  これらの実験において液封の激しい圧力上昇を体感することで超低温液化ガス取扱い作業の安全意識高揚に極めて有用と考えてこの課題に取り組みました。
実験年月日 予備実験:平成22年6月26日、7月24日
本 実験:平成23年2月5日、3月26日、6月4日、7月9日
         9月10日、10月15日
実験場所 大和熔材株式会社 富田林工場
実験担当事業所 ダイキン工業
大陽日酸(株)
(株)ネリキ
岩谷産業(株)
エア・ウォーター(株)
大和熔材(株)
(株)フジキン ガス保安検査(株)
ダンテック(株)
光和輸送(株)
日本ガス開発
セーフティーフォーラム
結果、その他
1.液化窒素液封の基礎的な実験に用いたφ38×t10の厚肉ステンレス鋼管でも液封の圧力上昇速度は大きくPi=10MPa/分にも達し、実験開始 から4分間だけで35MPaにもなることが確かめられました。また液封状態での温度と圧力の関係を明らかにすることができましたが、温度1℃当りの圧力上昇は1.5MPa3になり、温度上昇の影響が極めて大きいことが分かりました。
2.小径の実用配管の寸法別、材料別では実験開始から10MPaに到達するのに35秒〜45秒と極めて短時間であり、配管の種類による大きな差は認められませんでした。
3.圧力上昇速度は1分間に20〜30MPaにも達しており、液封となってか ら僅かの時間で実用配管の耐圧強度を超えてしまうため、極めて危険であることが確かめられました。
液化窒素が実用配管の中で液封となった場合には急激な温度、圧力上昇がもたらされ、短時間で破裂にいたることを体験することができました。
掲  載
安全ニュース
高圧ガス安全ニュース261(平成24年1月10日発行)
備  考  


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